近畿大学薬学部は、薬友会との協力のもとに、卒業生の卒後教育を主な目的として、平成5年から「生涯教育研修会」を開催しています。薬の専門家である薬剤師は、卒業後も医療の重要な担い手として、日々新たな知識の習得と研鑽に務めることが義務づけられています。
 近年、医薬品の開発や医療制度の変革など、薬剤師を取り巻く環境は急速に変化しています。例えば、新しい医薬品の開発においては、先進的なバイオテクノロジーやゲノム医療の導入が進んでおり、その臨床応用に関する知識が求められています。また、国際的な規制の変更に伴うICHガイドラインの適用や、医療品の安全性・有効性の評価方法の改定なども薬剤師にとって重要な課題です。さらに、医療制度の変革により、医療の分業化や介護医療の充実が進んでいます。これに伴い、薬剤師の役割も変化し、患者中心のケアを提供するために、薬剤師が医療チームの一員として積極的に関与することが求められています。このように医療の進歩とともに新たな課題が生じることから、薬剤師における終身教育の重要性は近年ますます高まっています。
  生涯教育研修会では、これらの環境の変化に対応するための知識を身につける機会を提供する場であり、先端医薬品の開発動向や新たな治療法に関する最新情報を習得し、臨床実践に役立つ能力の向上を目指します。さらに、研修会では、様々な専門家や実務家による講義やディスカッションを通じ、参加者同士の交流や情報共有が促進されます。こうした交流の場を介し、参加者は異なる専門領域からの知識や経験を吸収し、より幅広い視野を持つことを目的としています。  本研修会は、薬剤師が常に学び続け、高度な医療サービスを提供するための能力を向上させるための貴重な機会です。積極的な参加をお願いするとともに、皆様と共に学び合い、成長し合あえることを楽しみにしております。
  なお、研修会では、在学生に対してもアーリーエクスポージャー(early exposure)の一環として受講を義務づけております。ご参加頂きます先生方には、この点、ご容認頂きますようお願いいたします。
生涯教育研修会委員会委員長 長井 紀章