令和元年度講演要旨

場所:近畿大学 39号館 3階 302講義室(メイン会場)、301講義室
第1回 9月7日(土)15:00〜18:10
テーマ:高齢者・ポリファーマシー
15:00-16:30
高齢者の生理機能と特徴的な薬物治療
鈴鹿医療科学大学薬学部 臨床薬理学研究室 教授 大井 一弥 先生


 本邦は、65歳以上の高齢者の割合が28%を超え、超高齢社会の最中にある。65歳以上の外来患者数は激増しており、高齢者における医薬品適正使用の重要性が高まっている。一般的に高齢者は、生理機能が低下するため、薬効発現にバラツキが生じやすく、副作用の発現率が高いことが知られている。今回の講演では、高齢者薬物治療への新たなアプローチを提案し、ポリファーマシー解決に向けた薬剤師の役割について概説する。



16:40-18:10
案外楽しいポリファーマシー対策
医療法人やわらぎ会 やわらぎクリニック 副院長 北 和也 先生


第2回 10月5日(土)15:00〜18:10
テーマ:がん
15:00-16:30
急性白血病の最新治療戦略
近畿大学医学部 血液・膠原病内科教室 准教授 田中 宏和 先生

 急性白血病に対する化学療法において、この40年間大きな進展はみられなかったが、近年の大規模な遺伝子解析研究の結果、新たな分子標的治療が次々と開発され、一部は臨床応用されている。また、CAR-T細胞療法などの免疫療法が、現行の成績を遙かに凌ぐ治療法として注目を集めている。本講演では、成人白血病を中心に、現在までの治療の進歩と今後について概説する。



16:40-18:10
免疫チェックポイント阻害薬への薬剤師の関与 (症例をまじえて) 
千葉大学医学部附属病院薬剤部 今井 千晶 先生
        

 2014年にニボルマブが最初に承認となり5年あまりが経過し、本邦では6種類の免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor: 以下 ICI) が用いられている。ICIは免疫介在性有害事象(以下 imAE)が問題となることがあり、早期発見、早期治療が行われなければ治療の継続が困難となる症例も存在する。本講習では今までに経験した、ICIによるimAEを発症した症例を提示した上で、どのような立場で薬剤師がICIによる治療に関わる必要があるかを皆さんと考察していきたい。


第3回 11月9日(土)15:00〜18:10
テーマ:うつ・不安障害
15:00-16:30
うつ病・不安症の理解と薬物療法
近畿大学医学部 精神神経科学教室 教授 白川 治 先生

 抑うつや不安は、こころの失調の初期症状として、また多くの精神疾患でみられる症状でもあるが、経過で抑うつを主症状とするのがうつ病で、不安を主症状とするのが不安症である。うつ病薬物療法の第一選択薬のひとつである選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、うつ病だけではなく不安症の多くにも有効で、セロトニン神経伝達の失調が疾患横断的であることを示唆している。本講演では、うつ病、不安症の概念ならびに薬物療法を中心に治療の現状を解説する。



16:40-18:10
気分障害患者の対応と服薬指導について 〜病棟プログラム・リワークプログラムを通して〜
医療法人杏和会 阪南病院薬剤部 前田 朋子 先生          

 うつ症状を主訴とする気分障害の患者は年々増加傾向にある。症状による生き辛さを抱えていても病気である認識は薄く薬物治療に抵抗があり治療中断となるケースも多い。疾患教育や服薬心理教育、服薬指導を通し適切な薬物提供と治療の継続の重要性を伝えている。リワークプログラムでは薬物治療の有用性を伝え、再発〜再休職防止に取り組んでいる。患者個々が本来の自分を取り戻し社会復帰に繋がるよう努めている。