令和6年度講演要旨

 
第1回 9月28日(土)15:00~18:10 
  
15:00-16:30
免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象のマネジメント
近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 教授 
 林 秀敏 先生

 免疫チェックポイント阻害薬はがん治療に革命をもたらしたが、特徴的な免疫関連有害事象(irAEs)を引き起こす可能性がある。これには皮膚、消化器、肝臓、内分泌など多岐にわたる器官が関与し時に重篤な結果を招くこともある。そのため、irAEsの早期発見と迅速な対応が必要であり、治療中断やステロイド使用を含む適切なマネジメントが不可欠である。本講演では、免疫チェックポイント阻害薬による治療を受ける患者のirAEsのモニタリングと治療、そして薬剤師がチーム医療において果たすべき責任と役割に焦点を当てる。


16:40-18:10
アトピー性皮膚炎の新規治療法
近畿大学医学部皮膚科部門 特命准教授
 中嶋 千紗 先生

 アトピー性皮膚炎(AD)は世界的に発症頻度の高いアレルギー性疾患だが、近年の研究によりADが多様なフェノタイプから構成されるヘテロな疾患であることが明らかになった。この病態解明に伴い、新規治療薬の開発が目覚ましく進んでいる。2018年にはIL-4Raに対する完全ヒト抗体デュピルマブが中等症~重症ADに承認された。それ以降現在に至るまで、複数の生物学的製剤やJAK阻害剤の全身療法に加え、ステロイドやタクロリムス以外の新規外用剤も登場している。今後は、これらの新規治療薬を適切に使用し、プロアクティブ療法を実践することがAD治療のかなめとなる。本講演では、ADの病態と新規治療法について、最新の知見を交えて概説する。


第2回 10月26日(土)15:00~18:10 
  
15:00-16:30
日本初の内臓脂肪減少薬アライ -有用性とOTC薬としての期待-
大正製薬株式会社 セルフメディケーション臨床開発部 グループマネージャー
 藤田 透 先生

 「アライ」は、日本初の内臓脂肪減少薬として2024年4月8日より全国発売された。有効成分のオルリスタットは脂肪分解酵素リパーゼを不活性化し、食事由来の脂肪吸収を抑制する。医師の処方箋が不要なOTC医薬品であるが、購入に際しては薬剤師による説明・確認が必須である。本講演では、肥満を取り巻く社会環境やセルフケア・セルフメディケーションの全体像に触れながら、アライの開発背景、臨床データ、適正使用策、今後の期待などについて報告する。

16:40-18:10
緩和ケアで使用される医療用麻薬の服薬指導で意識すべきポイント
近畿大学病院薬剤部 技術科長代理
 川口 明範 先生

 高齢化社会の進展やがん死亡数の増加に伴い、緩和ケアの需要は確実に拡大しています。薬剤師にとっても緩和ケアで用いられる薬剤に関する知識の習得は不可欠となり、その中には医療用麻薬などの専門的な知識が必要な薬剤も含まれます。緩和ケアでは、患者の苦痛を和らげるために医療用麻薬が中心的な役割を果たしています。しかし、これらの薬剤には依存や薬物乱用のリスクが伴うため、適切な用法用量の設定と管理が不可欠です。また、患者が医療用麻薬を効果的に使用するためには、薬剤師の適切な服薬指導が重要になります。本講演では、臨床現場での事例を交えながら、適切な服薬指導に役立つポイントを解説していきます。