植物園の最近
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2023.5.9-2
 

枯れ木に花が咲きました
乾燥地帯の植物なので

葛根湯、麻黄湯、小青竜湯といった漢方薬は一般の方にも
なじみ深いのではないでしょうか。

これらをはじめとする多くの漢方処方に配剤される生薬マオウ(麻黄)は、
Ephedra sinicaE. intermediaE. equisetina (マオウ科) の地上茎であると、
第十八改正日本薬局方で定められています。
日本薬局方には和名の記載はなく、学名のみ表記されていますが、
和名では順にシナマオウ、アイマオウ、キダチマオウと呼ばれます。

下は Ephedra sinica シナマオウの写真です。
常緑の小低木ですが、
乾燥地域に分布するため、葉は退化し、痕跡のような鱗片葉となっているので、
地中から細い棒のような茎が大量に突き刺さっているようにしか見えません。
1年の大半はこのような姿です。

多くの見学者も、枯れている、
枯れたまま放置している(失礼な!! (笑))と思っているようです。
時々そのようにうかがいます。

● ● ●

そんなシナマオウに黄色の花が咲いています。
これは雄花
華やかですね。
雄花の拡大。

雌雄異株です。
こちらは雌花。
雌花も見えてきました。

この三年間の当園でのシナマオウやキダチマオウの開花を見ると、
(同じ鉢で育てているものでも)雄花は4月中下旬から咲き始め、
雌花はやや遅れて GW 頃と、開花時期が若干ずれているように思います。

また、雄花は数個の花がまとまってつくのに対し、
雌花は一つずつ付くと、
花の付き方が違うのもおもしろいですね。

6月中旬から2か月間近く、赤い果実が見られるので、
それも楽しみにしてください。



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