植物園の最近
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2023.11.9

舞楽の頭につける装束に似た
といわれても、それを知らないかもしれません

あまりにも有名なトリカブトは、
とても特別な植物のように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
実はあちこちの山で見かけます。

北半球の各地に分布し、色々な民族に矢毒として利用されてきました。
日本だけでも、30種以上が自生しているといわれ、
どの種(シュ=なんという名前のトリカブト)かを見分けることは、
よほど植物の知識のある方でないと難しいと言われています。

しかし、特徴的な花の形から、その花がトリカブトのひとつだということは
分かりやすいと思います。

和名の由来は、花の形が
舞楽の頭につける装束の鳥兜(トリカブト)に似ているからとか、
昔の成年男子の帽子である烏帽子(エボシ)に似ているのでとか、
鶏の頭に似ているからとかいわれていますが、
そもそも上の二つは現代人にはすぐに思い出せない形です。
こちらは日本薬局に収載される生薬ブシの基原のひとつ
ハナトリカブトです。
花に近づくいてみました。
毛も生えていますね。
こちらは日本薬局に収載される生薬ブシのもう一つの基原の
オクトリカブトです。
こちらも少し寄ってみます。
◎●◎ ◎●◎
当園の環境では、先にオクトリカブトが咲き始め、
それが終わりを迎えるころにハナトリカブトの花が盛りになります。
これら2種のトリカブトの花を比べたとき、先に紹介したハナトリカブトの方が
個人的には私のトリカブトの花のイメージにい近いのですが、
私の個人的意見は、お叱りを受けるでしょうか。
◎●◎ ◎●◎
山では、8月末ごろからトリカブトの花を見かけます。
お花畑がトリカブトとリンドウの紫色がメインになってくると、
秋になってきているのだなと思います。

もっとも、青紫色や赤紫色の他にも、白、黄色、ピンクの花もあります。
かつて、真っ白なトリカブトの花の草原に出会ったことがありますが、
それはそれは見事でした。



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