240110_フッキソウ : 写真_近大薬用植物園

2024.1.10

復起想
願いを込めて

新年が始まった日の地震。
その時、みなさまはどのようにお過ごしでしたか。

被災された方がまだまだ大変な生活を送り、
安否のわからない方に心を痛め、命をなくされたかたを偲び、
これからの生活にご不安を抱かれている、
そのような今、植物について何を語ろうか、
まだまだ、植物の話題をする気持ちにはなれず、
というのが、正直なところです。

そのような沈んだ気持ちの中で、
この植物を名前の音だけで、とり上げます。

フッキソウです。
本当は富貴草ですが、
あえて復起想と私が勝手に漢字を当てました。

今もひどい状況の中にいる方や辛い思いを抱えている方が、
安全なところにいるもののこのようなつまらないダジャレに怒りを覚え、
腹だたしさを感じられたらお許し下さい。

今はまだ、今後のことを考えられないかもしれませんが、
その時が来たら　もう一度起き上がって下さいという、ただその願いを
お伝えしたくて。

能登半島のような被害はありませんでしたが、
『地震です』や『津波が来ます』と携帯電話が響いたところに当日は居りました。

古い木造家屋内で震度5強を経験し、
（家屋に軽微なダメージはあったので）余震や以後の警報の音におびえ、
その度ごとに机の下に潜り込む子の姿に、
紛争地域で空襲警報に晒されている方々のことも
いつも以上に辛く思わずにはいられませんでした。

だから、地震の被災地だけではなく、
世界の紛争地域に暮らす方たちへも、
穏やかに平和に暮らせる日々が訪れることをただただ祈る、
その思いも込めて。

近畿大学の薬用植物園のHPに
このような個人的な気持ちを載せるのは不適切かもしれませんが、
いつも私の独断と偏見で植物を見たてている、ここでならと。
私の個人的な想いを載せることを、今回だけは特別に大目に見てください。

せっかくなので植物の紹介もしましょう。
フッキソウは名前に草とついていますが、常緑の小低木です。
北海道から九州まで分布し、グラウンドカバーとしてよく使われています。
３～５月に花をつけます。
3枚目の写真は去年の雌花です。