今回は、私の自己満足、あるいは自慢にすらならない自慢話をお届けしているような気もしますが、興奮を届けたくて。
今年こそ、雪解けを待って咲くような、そんなロマンを感じられる花に会いたい!と、とりあえず、2025年の春分の日を少し前にし、東を向いてハンドルを握りました。ところが、昨年の岐阜、今年の長野、2年続きで大雪にやられました。大阪弁で言うならまさに「なんでやねん」の状態です。確かにタイヤはまだ冬用のまま、意識の中では雪は想定しているのですが、かなり予想外で、目的としていた植物たちに会えないどころか、道が。。。運転が。。。
そんな雪の日に山の中に入るだけの技術も体力も持ち合わせず、残念です。

ところが、目的地ではなかった場所(新潟県)で、オウレンの花に出会うことができました。自生です(興奮)。

去年の葉が残っているので確認すると、キクバオウレンです。確かに日本海側にはキクバオウレンが分布するというのに合っています。ただオウレンとだけ呼ぶと、このキクバオウレンを指すことが多いようです。
オウレンの3変種(キクバオウレン、セリバオウレン、コセリバオウレン)は、当園でも栽培されていますので、私にとっては見慣れた花には違いないのですが、植物園以外では探してもなかなか見つけられなかっただけに。たまたま出会えてとても嬉しく興奮しました。
オウレンの学名(Coptis japonica)の種小名の japonica からもわかるように、オウレンは日本の固有種です。しかし最近はオウレンの数を減らし、隣の長野県ではキクバオウレンはレッドリストに入っているくらいです。

舗装した道路から少し入っただけの人家近くの山の端にいたので、かなり意外でした。近くにはまだ雪も残っており、ぬかるみの向こうにいるため、近づきにくく、ようやく片足を向こう側にのせ撮影しましたが、反対の長靴が足首までぬかるみに埋まり(私が重いから?)、抜け出すのに苦労しました。
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かなり興奮状態の私が「これこれ、オウレンの花、ぜひ見る価値ある」と叫ぶのに反し、 薬剤師免許も持ち、当然のことながら生薬オウレンも知っている同行者は、「どれ?もしかして、この小さい花のこと?この雑草?」と、かなり冷ややかな対応でした(残念)。華やかな花がお好きな方には、物足らないかもしれません。
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ちなみに、このオウレンが咲いていた斜面にはトキワイカリソウらしき植物なども自生していましたが、大雨や地震で土砂災害が起こりそうな崖です。そのうち擁壁がつくられるなどして、日本の固有種の自生地が失われそうな場所でした。コンクリートで固められるのは惜しいですが、ヒトの安全を考えると、そうも言っていられません。難しい問題をあらためて感じる時間でもありました。
とりあげた植物 について
★ オウレン
Coptis japonica キンポウゲ科
根茎(根をほとんど除く):生薬 オウレン(黄連) 日局18
☆ キクバオウレン
Coptis japonica var. japonica
☆ セリバオウレン
Coptis japonica var. dissecta
☆ コセリバオウレン
Coptis japonica var. major
*キクバオウレン、セリバオウレン、コセリバオウレンの3変種は、日本薬局方の学名表記とは異なりますが、オウレンに含まれるとして、日本薬局方(第18改正)でオウレンの基原として認められています。