これは葉印(ヨウイン)や葉痕(ヨウコン)と呼ばれます。落葉樹でも常緑樹でも、多くの樹では葉が落ちるときには葉柄(ヨウヘイ:葉の本体と茎との間の部分)の付け根と茎(枝)との間に離層が形成されて葉が落ちますが、その茎(樹)側に残った痕跡です。
葉印の上部にはほとんどの場合に脇芽が見られますが、脇芽が隠れている種(シュ)もあります。
しおり40枚の写真は、全てゴシュユの葉印ですが、愛らしい笑顔に見えます。脇芽が角(つの)のようにおでこ(額:ひたい)の位置にあります。葉印・葉痕のかたちは植物によって違うので、これに注目して樹を観察するのも楽しいでしょう。落葉樹が葉を落としている冬の季節は葉印・葉痕の観察にもってこいです。寒いですが、ぜひお出かけください。
とりあげた植物 について
★ ゴシュユ
Euodia ruticarpa = Evodia rutaecarpa = Tetradium ruticarpum ミカン科
果実:生薬 ゴシュユ(呉茱萸) 日局18