女性に美しさを求めるのもジェンダー的にどうなのかという問題は別途考えなければいけませんが、とはいえ、『立てば芍薬、座れば牡丹。。。。。』は、美しい女性の例えとして使われてきた言葉で、シャクヤクもボタンも
どちらも美しい花ですね。 今年の登園では、GW前にボタンが咲き終わり、それと交代するかのようにシャクヤクが咲いています。
さて、ご自宅で愛しんで育てている庭のボタンが、シャクヤクに変わってしまい (@_@;) 、驚くことがあると聞きます。いつの間に、すり替わったのか?
まさに怪奇現象ですね。
いえいえ、種明かしをすると、なるほど!です。ボタンを実生(種)から育てると花が咲くまでに何年も時間がかかるため、一般にはシャクヤクの根を台木にし、ボタンを接木した苗が販売されています。ところが、台木から元気に伸びたシャクヤクにボタンが負けてしまい、シャクヤクの花が咲いたというわけです。注意深く管理して育てると、このような置き換わりを防ぐことができます。
では、『注意深く管理して育てる』にはどうすればよいのか?
まず、はじめに ボタンの苗を植えるときには深く植え、接いだ部分まで土をかけるようにすると、ボタン自身の根が伸びて、シャクヤクに負けにくくなるそうです。また、剪定をしてボタンの樹を弱らせないようにすることも大切といわれています。いずれにしろ、春に根もとからシャクヤクの芽が出てきたのを見つけたら、すぐに取ってください。と、いわれても、ボタンの芽かシャクヤクの芽か悩むところですよね。ボタンとシャクヤクの違いについては、何回かに分けお伝えしていきたいと思います。
少し、ボタンをひいきするようになってしまいましたが、どちらも愛される美しい花で、また共に日本薬局方に収載される重要な生薬の基原となる植物です。それぞれに大切に育てたいものです。
植 物 と 学 名
★ ボタン
Paeonia suffruticosa ボタン科
★ シャクヤク
Paeonia lactiflora ボタン科