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近畿大学 薬学部 薬用植物園



しおり 31枚目  2022年9月14日RECRUIT

自然は不規則ではなかった?!
 植物の数学的秩序

 「自然な」というと自由で奔放なイメージではないでしょうか。そう、秩序とは対極をなすような。しかし、一見無秩序に見える自然の創生物の中に、数学的秩序が隠れています。中でもフィボナッチ数列による規則性は有名です。

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 フィボナッチ数列とは、第1項と第2項が1で第3項より後の項は直前の2項の和になっている数列で、1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89…と数字が並びます。一見ルールがないように見える数の並びが規則性を持っています。動物界ではオウムガイの殻との関係性が有名ですが、植物の世界でもパイナップルの実やヒマワリのタネがフィボナッチ数列と関係することで有名です。

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 タネがぎっしりと詰まっているヒマワリの花を観察すると、タネの列は中心から外に向かってら旋を描くように並んでいます。このら旋の本数は、
  ① 時計回りに21本 反時計回りに34本
  ② 時計回りに34本 反時計回りに55本
  ③ 時計回りに55本 反時計回りに89本

の組み合わせと、いずれもフィボナッチ数列を構成する数になっています。自然の法則性に驚くとともに、こんな数列を発見する数学者も偉大ですね。

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と、ここまでは書籍や、特にネット上にも数多く載っているお話です。
ところが、話はそう簡単ではありませんでした。(32枚目につづく)

 とりあげた植物 について
★ ヒマワリ
   Helianthus annuus キク科

* しおり31, 32枚目は『近畿大学薬学部薬用植物園 薬用植物四季便り』column.8を改訂して掲載しています。