当園ではアカジソとアオジソを栽培していまが、並べて栽培していると、当たり前のことに今さらのように気づかされます。アカジソ、アオジソは共にシソの品種です。
シソの花は刺身のつまに使われるなど目にする機会もあり、みなさんもどのような花かは なんとなくイメージできそうですよね。ところがこの2種の花が並んでいると、ハッと気が付きました。そう、アカジソの花は赤く(紫色)、アオジソの花は白いのです!! 冷静になれば、当然といえば当然です。アカジソの葉が赤いのは赤色の成分アントシアニンを含むから、そのアントシアニンが花の色も赤く(紫色)し、アオジソはアントシアニンをほとんど含まないため花は白く、葉ではそのまま葉緑素の色(緑色)が見えています。
ところで、本来はアカジソとアオジソを一緒に(近くに)植えないほうが好ましいとされます。シソはとても交雑しやすく、交雑すると色も香りも悪くなり、しかも繁殖力が強くなるからです。
香りが違うシソの系統を何種類も維持して研究していた ある大学の薬学部の研究室では、花穂がつくとすぐに袋掛けをして交雑を防ぎ系統を保っていましたが、ご家庭では現実的と思えません。
タネをとったり、こぼれたタネから生えたものを育てたりしないのであれば、近くに植えても問題ないでしょう。もし一緒に植えるなら、花穂は出たら早めに摘み取り、毎年新しい種や苗から育てることをお勧めします。
とりあげた植物 について
★ シソ
Perilla frutescens var. crispa シソ科
葉および枝先:生薬 ソヨウ(紫蘇葉・蘇葉)日局18
果実:生薬 シソシ(紫蘇子)局外生規2022
☆ アカジソ
Perilla frutescens var. crispa f. purpurea シソ科
☆ アオジソ
Perilla frutescens var. crispa f. viridis シソ科